白い息を吐き出して、アルトたちは家路を急ぐ。ガラス越しの空には星が瞬き、キラキラと輝いている。つい数時間前まで、哨戒任務を兼ねた飛行訓練で、あの星の海にいたのだ。

「星は遠くから眺めるに限るよな」

 ミハエルは眼鏡をずらして目を細めた。宇宙に出ると、美しい星はその姿を一転させる。超高速で飛んでくる弾丸と、何一つ変わらない。

「ところで、二人とも明日暇か?」

 明日は、日曜日なのに三人ともシフトに入っていない、という奇跡のような日だった。アルトはミハエルに向き直ると、長い尻尾を揺らして首を傾げる。

「何を企んでるんだよ?」

 休みの日のミハエルと言えば、一人でフラフラと繁華街を歩くのが常だろう。何を血迷って、男友達のスケジュールを確認するのか。何か良からぬことを考えている、と判断するのは当然だろう。

「姫、俺を何だと思ってるんだ?」

「今更言葉にする必要はねぇだろ?」

 アルトとミハエルは目を細めると、そのまま睨み合う。

「それで、ミシェル先輩。明日、僕らに何かご用ですか?」

  ただのじゃれ合いから、一触即発へと変化されてはたまらない、とルカは慌ててフォローに入る。普段はオズマより大人びて見えるミハエルだが、殊アルトが絡むと途端に年相応を通り越して子供っぽくなるのはなぜだろう。

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