カーテンの透き間から漏れる眩しい光りに、アルトは目を覚ました。昨日と変わらない、それでいてどこか空気が違う朝。アルトは、すぐ隣で寝息を立てるミハエルを眺める。柔らかい金髪は漏れる光りに輝き、長い蜂蜜色の睫が時折揺れる。アルトは小さく笑う。どんな夢を見ているのだろうか。ずっとこうして、一緒に幸せな夢を見ていたい。

 目覚ましが鳴るには、まだ時間がある。アルトは少しだけ思案すると、頬を染めながらミハエルの肩口に顔を埋めた。ミハエルの眠りを妨げないようにしながら、その逞しい腕の中に自ら収まってみる。アルトはうるさい鼓動を押さえるように強く目を閉じた。

 

◆◆◆◆◆◆

 

 右肩に心地よい重みを感じて、ミハエルは目を覚ました。目を開けば、いつもより近くにアルトの白い額があった。すっぽりと腕の中に納まって、長い睫を伏せてすやすやと夢を見ている。起きている時のアルトは、キリリとした眼差しに溌剌とした雰囲気を纏い、清冽な美しさを放っている。だが、とミハエルは破顔した。こうして眠っている姿は、どこか幼く可愛らしい印象が強い。きっと、安心して肩の力が抜けているせいもあるのだろう。どこか無防備で、得も言えぬ危うさを孕んでいる。

 ミハエルはアルトの前髪を払うと、その所有権を主張するように形の良い額に口付けた。

「・・・・んっ・・・・・・・」

 浅い眠りにまどろんでいたアルトは、チュッというくすぐったい音に目を覚ました。丸めた手で目を擦り、何度か瞬きを繰り返す。それでも、琥珀色の瞳はトロンとしたままだ。

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